dr100の一の宮・百寺巡礼・続百名城旅日記

百名城、百名橋、百名建築、百名公園、桜の名所百選、東京23区内一丁目一番地などを訪問しました。一の宮、百寺巡礼、続百名城も完訪。発祥の地、見学施設(博物館、記念館など)、寺社仏閣の御朱印もやっています。皆様のコメントが励みになりますので、よろしくお願いいたします。

番外エッセー その3

今月は調子に乗って写真をどんどんアップしてしまったので「はてなブログ」の容量がいっぱいになって、これ以上写真がアップできなくなってしまいました。文章ならアップできるので、いつもの旅行記ではなく、地元の医師会雑誌に掲載していただいている「Dr100の旅のあれこれ」というエッセーの転載を月末までの数日間続けますのでよろしくお願い致します。


Dr100の旅のあれこれ Vol.3                <飛行機事情、etc・・・ づづき>
 前回は、飛行場の保安検査場のところまで書きました。保安検査場はその名の通り、ハイジャックなどを防ぐために飛行機に搭乗する乗客の持ち物をチェックするゲートです。持ち物をレントゲンテレビのような装置に通して係員がチェックします。自分の体はゲートのような形をした金属探知を通ってブザーが鳴ったらもう一度くぐらされ、それでもブザーが鳴ったら同性の係員にボディーチェックをされます。大きめの腕時計やベルトのバックルでもなることがあるので、私ははずして通っています。ここ数年は液体爆弾テロの影響でペットボトルも検査の対象になります。荷物の方も金属にはことのほか厳しく、三客や充電器具などたくさん入っているときは再チェックされたり、荷物をあけて調べられたりします。二つ以上のライターやハサミ、カッター、十徳ナイフなどは破棄させられます。以前は龍角散のど飴の缶もダメだったそうですが、今はどうなっているのでしょうか。保安検査場を通り抜けると、ほとんど例外なく目の前に足台があってその上に警察官が立って監視しています。犯罪を犯して逃亡中の人が飛行機で移動をしようとしても必ず警官の前を通ることになり、逃避行にたいする無言のプレッシャーにもなるでしょうが、荷物検査に関するトラブルもきっと多いのでしょう。話は前後しますが、成田空港だけは空港ビルに入る前にもチェックを受けます。鉄道で成田空港駅に到着し、改札を抜けると係員が立っていてパスポートや運転免許証のチェックを受けます。チェック後、空港ビルに進む方向に警察官が立っています。車の場合は検問所があって全員分の身分証明書を提示します。乗り合いバスも警察官が乗り込んできて一人ひとりチェックしますので、成田は世界でも最もセキュリティーの厳しい空港ではないでしょうか?
話を保安検査場を通過してからに戻して、つぎに自分の登場する飛行機のゲートに向かいます。搭乗券にゲートが書かれています。小さな空港なら迷うことはないのですが、羽田空港(利用者数が世界で第4位)はゲートが70か所ぐらいあって一番遠いゲートは保安検査場を抜けた地点から左に650メートル、右にも650メートルほどあり、間違えて左の端に行くところを右の端に行くと、650メートル×3=約2キロほど歩くことになります。電車ならホームとホームの間隔はせいぜいい電車の幅2台分プラスアルファなのですが、飛行機の場合ゲートとゲートの間隔は大型飛行機の翼の横幅プラスアルファになるので、ジャンボ(ボーイング747)の横幅(68メートル)だと80メートルの間隔になってしまうのです。ジャンボが5台並ぶだけで幅400メートルは必要で、これは1両25メートルの新幹線のフル編成(16両)に相当します。そういう訳で空港の建物は大ぶりなので、時間に余裕のないときほどあわてて反対方向に歩く確率が高くなるので要注意です。はっきりした法則はないようですが、新幹線との競争が熾烈な目的地への便はゲートが近く、飛行機輸送がほぼ独占状態への目的地への便、JALANA以外の小さな航空会社の便のゲートが遠い傾向にあるように感じます。この遠さは出発する時ならまだいいのですが、羽田に帰ってきて旅の疲れで一刻も早く家路につきたい時などは、うんざりします。延々と続く通路は「遠近法」の世界です。羽田到着便で着陸後のタキシング中にゲートが67〜70番と機内アナウンスされたときには、ここを延々歩くことになるので、がっかりします。指定されたゲートに到着すると、あとは飛行機に乗るだけなのですが、多少余裕のある時間に到着することがほとんどなので、ゲート前の出発ロビーでテレビなどを見て搭乗のアナウンスがあるまでの時間を過ごします。そうしているうちに出発時間の15分前になると優先搭乗のアナウンスがあります。2歳以下の子供と乗降にお手伝いの必要な乗客が先に呼ばれて乗っていきます。次にダイヤモンド会員、プラチナ会員などの上級会員と、プレミアクラスの乗客が呼ばれます。最後に一般の乗客が呼ばれますが、混雑している便だと最初に後ろ半分の席の人が呼ばれ、最後に前半分の席の人が呼ばれて搭乗完了なのですが、飛行機は電車と違いそう簡単には出発しません。保安検査場を通過したのに搭乗ゲートに来ない人がいるのです。職員がトランシーバーを持ちあちこち連絡を取りながら来ない人を何とか探します。出発時間を過ぎても探すのをあきらめません。これが新幹線ならば、時間が来たらさっさと出発するのですが、なぜ飛行機で同じことができないかというと、ハイジャックとは別に、カウンターで爆発物の入った荷物を預けて飛行中に爆発させて自分は乗らないという手口があるからだそうです。最後の一人になると、「○×航空○×便は○△様のご搭乗をもって出発とさせていただきますのでお早めに○△番ゲートにお越しください」と、多少嫌みの入ったアナウンスになります。私の観察では、最後に遅れる人は歩みの遅い年配者であることはめったになく、だいたいが、お土産屋さんの袋をぶら下げた若い人です。待合室ロビーにある売店で買い物に夢中になって、しかも飛行機の出発時間を電車の出発時間と同じドアが閉まる時間と思いこんでいる人なのだと思います。彼らは機内に入って、とうに乗りこんでいる先客の痛い視線を浴びながら着席することになるのですが、何百人もの乗客を足止めしたのですから因果応報です。飛行機の出発時間の蘊蓄を書こうと思いましたがまた、次回にします。
「旅のあれこれ」といいながら、飛行機の話からなかなか前へ進まず申し訳ありませんが、とりあえず「Dr100の旅のあれこれ Vol.3」の筆じまいとさせていただきます。また、医師会誌の薄い号のときにお会いいたしましょう。